飲食店の人材不足を解消するには?人が来ない&辞めていく原因と解決策
「飲食店を経営しているけど人材不足で店がうまく回らない」
「これから経営したいのだけど、集客以外にも働く人材をうまく集められるかが不安」
そういったことで悩みを抱えたことはないでしょうか。
実際に飲食業界は他と比べても、人材不足であることはしっかりとデータでも出ているんですね。
なので、そういったデータを踏まえた上で、なぜ飲食店は人材不足なのか、どうすれば解決できるのかをお伝えしていきます。
おかげ丸「飲食店と一言でいっても多様化してるからね。働き方や求人の方法など、競合店と差別化していかないといけない段階にきているんだまる!」
飲食店の経営において不安を抱えている方は参考にしてみてくださいね!
目次
飲食店の人材不足による休業・廃業が増加中!
飲食店業界の人材不足は、年々深刻化しています。
弟子「深刻化といっても、どのくらいなのかがよくわからないなぁ」
おかげ丸「そうだよね。だからここでは、企業を専門対象とする日本国内最大手の信用調査会社、帝国データバンクによる調査結果をもとにお伝えしていくよ!」
帝国データバンクが2019年7月に2万3650社に調査をし、1万91社から回答を得ました。
その結果、正社員の人材が不足していると答えた企業は全体の48.5%、そして「不足している」と答えた企業のうち、60%が飲食店なんです。
2018年の7月では58.5%だったことから、1.5%増加していることがわかりますね。
帝国データバンク:人手不足に対する企業の動向調査
弟子「半分以上が飲食店なのか…。正社員の不足がこれだけ多いってことは、もしかしてアルバイトなどの非正社員はもっと多いのかな?」
おかげ丸「その通り!2019年7月の飲食店における「非正社員の不足」は、前述した「人材が不足している企業」のうちの80%にも及ぶんだ!」
弟子「ほとんどが飲食店じゃないかっ…!」
帝国データバンク:人手不足に対する企業の動向調査
さらに、飲食業界では人材不足による倒産件数も増えています。
おかげ丸「今度は国内第2位の信用調査会社である、東京商工リサーチのデータをもとにお伝えしていくまるよ!」
東京商工リサーチの調査によると、2019年上半期(4~9月)の人手不足による倒産は202件、そのうち飲食業を含むサービス業が66件で最多となりました。
弟子「人材不足でお店が回らないとかのレベルじゃなくて、倒産までしちゃうのか…。思った以上に深刻なんだね」
こういった飲食店の多くは、「求人をかけても応募する人が少ない」「採用できたとしてもすぐに辞めてしまう」といった問題を抱えています。
なぜ、飲食店での求人が難しく、離職率も高いのでしょうか。
多くの飲食店が人材不足に陥る主な原因3つ
人材不足に陥る飲食店が多い主な原因は以下の3つです。
- 給与水準が低い
- 労働環境が悪い
- 就業意識の変化
どういうことなのか、それぞれ詳しく見ていきましょう!
1.給与水準が低い
すべてとは言いませんが、飲食店は給与水準が低いところが多いです。
弟子「そうなの?でも都内のアルバイト求人などを見てると、時給1,000円以上のところとか結構ある気もするけどなぁ」
おかげ丸「確かに学生期間とか、一時的にアルバイトするならそれでもいいかもしれないけど、正社員として長く働くことを考えると、高いとは言えないよね。
正社員の場合、長く働いているのに給料が上がらない、といった不満もあるだろうから、昇給や賞与の有無も重要まる」
厚生労働省による「平成30年賃金構造基本統計調査 結果の概況 主な産業別にみた賃金」をみても、飲食業界の給与が他と比べて低いことがわかります。
>>厚生労働省:平成30年賃金構造基本統計調査 結果の概況「主な産業別にみた賃金」
弟子「でもなんで飲食業界の給与水準は低いんだろう」
給与水準が低い理由の一つは、人件費や求人費、広告費など、必要な費用が多くかかることが挙げられます。
人件費を削って少人数でお店を回すとなれば、一人当たりの労働時間は長くなります。
もしそのうちのひとりが急に体調不良などで出勤できないとなると、さらに過酷ですよね。
筆者自身、飲食店で勤務していたことがありますが、それで大変な思いをしたことがあります。
その日のお店の客数も事前に把握できるわけではないので、どうしても最低限の人数を確保する必要があるんですね。
求人誌に乗せる費用も、お店を宣伝する広告費ももちろんタダではありません。
お店の利益率とのバランスが非常に難しいところといえます。
2.労働環境が悪い
人材不足の原因二つ目は、労働環境が悪いというところ。
弟子「なんとなくこれは想像できるかも。拘束時間が長くてシフトも不規則、特に正社員は休みが少ないとかもありそう」
おかげ丸「そうだね。正社員はアルバイトが少ないときの穴埋めもあるから、シフトがとても不規則。あとは一日中立ちっぱなしで体力的にも大変っていうのもあるね」
労働環境の悪さは離職率の高さにつながります。
そして人材が不足し、その結果また労働環境が悪くなるといった悪循環に陥ることもあるんです。
インターネットやSNSの普及によって、労働環境の悪さが露呈されやすくなったという側面もありますね。
とはいえ、大手の飲食企業などはそういった労働環境の改善に乗り出しているところもあります。
すべてを一度に改善することは難しいかもしれませんが、今後どう向き合っていくかが課題といえるのではないでしょうか。
3.就業意識の変化
「残業時間が長いのに残業代が出ない」「自分の意志とは関係なく休日も返上して出勤しなければならない」などの、いわゆる”ブラック企業”が問題視されるようになりました。
その結果、働き手側の就業意識が変化しつつあることも人材不足の原因です。
ブラック企業とまではいかなくとも、飲食店の拘束時間やシフトの不規則さは、どうしても見逃せないポイントになっているんですね。
おかげ丸「私生活と仕事の両方を充実させたい、だから自分の時間をしっかり確保できる働き方を求めるようになったんだね」
弟子「ワークライフバランスってやつだね!」
また、例えば学生がお金を稼ぎたいとなった場合、アルバイト以外の選択肢も増え始めています。
インターネット上で仕事を受注できる「クラウドソーシング」やアプリ一つでオンオフが切り替えられる「Uber Eats」などがその代表例です。
筆者自身も、学生時代は「お金を稼ぐ=アルバイト=飲食店」といった考えでした。
でもその理由を正直に言ってしまうと、「飲食店で働きたいから」ではなく、「特殊なスキルがなくても働けるし、他にお金を稼ぐ手段がわからなかったから」だったんです。
そこに新たな選択肢が生まれたことで、「お金を稼ぐための手段から飲食店を選ぶ人が減った」という側面も少なからずあるのではないでしょうか。
おかげ丸「今の時代は学生のうちからブログやアフィリエイトで収入を得ている人もいるしね」
弟子「でも、だからって飲食店で働きたい人がいないわけではないでしょ?将来的に本気で飲食業界で働きたい人だっているはず。お金以外にも経験だって重要だと思うし」
おかげ丸「もちろんそうだね。だけど、そこにも給与や労働環境の問題が関係ないわけではないよね。だからいかに人材不足を解消するかが重要まる」
飲食店の人材不足を解消する5つの方法
それではどうすれば飲食店の人材不足を解消していけるのかをみていきましょう。
考えられる方法は以下の5つ。
- 働き方改革
- ツール導入や仕組み化による業務効率化
- 外国人やシルバー人材の活用
- 求人方法の工夫
- デリバリーサービスの利用
それではそれぞれ詳しくみていきましょう!
1.働き方改革(労働環境や待遇の改善)
飲食店は給与水準が低く、労働環境が悪いと前述しました。
それであれば、それらを改善するのが人材不足解消の近道とも言えます。シフトが不規則で長時間労働になってしまうのであれば、思い切って営業時間を変更するという手もあります。
おかげ丸「働き方改革として、24時間の長時間営業をやめたお店も実際にあるからね」
給与の見直しや連休の取得、転勤のアリナシなども働くうえでは重要なこと。働き手側のストレスを軽減できるような取り組みが重要になってきていますね。
とはいえ、「待遇を変えるにもそれだと人件費が大変に…」といったこともありますよね。
そのような場合の一つの解決策の例として、ツールを導入するといった選択肢もあります。
2.ツール導入や仕組み化による業務効率化
セルフオーダーを導入し、注文から料理の提供、そして会計までの流れを仕組み化することで、業務の効率化を図ることができます。
弟子「セルフオーダー?」
おかげ丸「セルフオーダーっていうのは、タブレット端末やお客様自身のスマホやお店に備え付けてある液晶パネルなどを使って自分で注文するシステムのこと。
店員さんが注文のたびにテーブルに行かなくていいから少ない人数で回せるんだ!」
弟子「焼肉屋さんとか回転寿司のお店とかで見かけるヤツか!」
ただ、セルフオーダーを導入するにしても、もちろん費用はかかります。また、接客重視のお店の場合はそぐわない可能性もあるんです。
なので、お店の利益やタイプに合わせて導入するかどうかを判断しなければいけません。
Okageシリーズなら、一か月のトライアル期間もあるので試しに利用してみてもいいですね。
3.外国人やシルバー人材の活用
外国人やシルバー人材(高齢者)を活用するといった方法もあります。
外国人の場合、2019年4月に新設された「特定技能1号」という資格を持っていれば、飲食店でも採用することができるようになりました。
外国人観光客も年々増えているため、接客における対応の幅を広げられる可能性もありますね。
また、国内の平均寿命が伸びていることもあり、定年を過ぎても働く意欲が強い人もいます。
そういった人材に協力してもらうことも、解決策の一つです。
弟子「採用の幅を広げるのはこれからもっと必要になりそうだね」
おかげ丸「無理はさせられないけど、できるところを少しずつ任せていくのがいいかもね!外国人の場合、言語能力次第ではトラブルに発展することもあるから注意しないとね」
4.求人応募を増やす工夫
もし求人を出しても応募が少ないという場合は、求人方法を工夫してみるという方法もあります。
例えば、アルバイトや派遣の仕事であれば、アプリを利用して単発の求人を出せます。
シフトを固定されることに抵抗がある学生や、急に予定がなくなって働きたい人をマッチングできるんですね。
弟子「でもそれだと任せられる仕事も限られてくるんじゃないの?」
おかげ丸「そうだね。だからどんな店でもできるっていうわけではないけど、本当に人材不足で悩んでいるなら、選択肢に入れてもいいんじゃないかな」
また、インターネットやSNSが普及し、求人に嘘があるとすぐにバレてしまいます。
例えば「毎日まかないが出ると書いてあったのに出ない」「髪型自由って書いてたのに厳しかった」などは口コミですぐに広まります。
働くことによるメリットを明確に記載するのが重要ですね。
5. デリバリーサービスの利用
自社スタッフを増やすという視点を少し変えて、外部のデリバリーサービスを利用するといった方法もあります。
弟子「Uber Eatsとかそういうの?」
おかげ丸「まさにそうだね!Uber Eatsの配達員は業務委託だから、直接給与を支払う必要はないんだ。もちろんUber Eats側に手数料を支払うことにはなるけどね」
Uber Eatsや出前館、Fine Dineといったデリバリーサービスを利用することで、店舗に直接集客しなくても料理を届けられるので、利益を上げられるんですね。
人材不足の解消に成功した飲食店の事例紹介
それでは、実際に人材不足の解消に成功した飲食店の事例をいくつか見てみましょう。
ここでは、
- すかいらーくグループの地域正社員制度
をお伝えしていきますね。
すかいらーくグループの地域正社員制度
業界大手のすかいらーくグループでは、地域正社員制度を導入しています。
弟子「すかいらーくって、あのガストとかジョナサンとかの?」
おかげ丸「その通り!よく知ってるね。店舗数が多いから、転勤による引っ越しに不安がある人もいる。そういう人の不安を解消するための制度でもあるまる」
地域正社員制度は、引っ越しを伴う転勤がなく、月間公休9日、そして有休もあります。
子育てサポートや、5連休を年に2回取得できるなど、ワークライフバランスの配慮もおこなっているんです。
賞与や昇格もあるので、やりがいを持って頑張れる仕組みと言えますね。
まとめ:飲食店の人材不足を解消できるかが生き残りのカギ
データでも表れているように、飲食店の人材不足はどんどん深刻化しています。
都会の方では競合店も多いため、人材不足でお店が回せないとなると、最悪の場合休廃業や倒産となる可能性もあるんです。
そのため、飲食店が今後生き残っていくにはこの人材不足をいかに解消していくかが大きなポイントです。
そしてその解決策としていま考えられるのが以下の5つ。
- 待遇や労働環境の改善
- 外国人やシルバー人材の活用
- ツールの導入
- 求人方法の工夫
- デリバリーサービスの利用
おかげ丸「このあたりをうまく取り入れて、人材不足をどう補うかがカギだね!」
とはいえ、すぐに全てを改善できるわけではないですよね。人材不足とはいえ、誰でもいいというわけでもないと思います。
おかげ丸「例えば自分のお店があまりに忙しくて回らないのであれば、セルフオーダーを試験的に導入してみるとか、できるところから少しずつ変えていくのでもいいと思うまる!」
自分のお店の環境と向き合いつつ、人材不足をうまく乗り越えてこれからも生き残っていきたいところですね。