繁盛する焼肉屋を開業するための6つのステップ!重要なポイントを厳選!

「焼肉屋を開業したいけど、なにから始めていいかわからない」
「開業するからには絶対に失敗したくない」
焼肉屋の開業を考えている方は、このような悩みをお持ちではないでしょうか?
焼肉屋を開業するには、多額の資金や大きな労力が必要なので、やるからには絶対に失敗したくないですよね。
そんな方のために、この記事では「繁盛する焼肉屋を開業するための6つのステップ」をお伝えします。焼肉屋を開業して繁盛させるためには準備が重要ですが、そのポイントを6つに厳選しました。
「焼肉屋を開業したいけど、さらには繁盛させたい!」「絶対に失敗したくない!」と思っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
おかげ丸「1つ1つわかりやすく解説しているので、ぜひ実践してくださいまるね~」
目次
焼肉屋を開業するために必要な準備とは?
焼肉屋を開業して繁盛させるには、入念な準備が必要です。焼肉屋は競争が激しいため、計画なしに出店してもなかなか上手くいきません。焼肉屋を開業するには大金が必要ですが、大金を払って失敗したくないですよね。
そこで、繁盛する焼肉屋を開業するための6つのステップをご紹介します。
- ①お店の戦略を決めよう
- ②開業に必要な資金の見積もりを用意しよう
- ③必要な資格を取ろう
- ④仕入れ先を見つけよう
- ⑤物件をみつけよう!できれば居抜きで
- ⑥スタッフを採用して教育しよう
弟子「なんだかいっぱいあって大変そう・・・」
おかげ丸「1つずつやっていけば大丈夫まる」
①お店の戦略を決めよう
開業する前にしっかりリサーチを行い戦略を決めましょう。決めるべき戦略は以下の4つです。
- ターゲット・候補地
- コンセプト
- メニュー
- 集客方法
これらの戦略を決める前に、まず3種類のリサーチをする必要があります。
- 市場調査
- 競合調査
- 自店の強み
ここからは、まずリサーチすべき3点を解説し、次に戦略4つの決め方を解説します。
市場調査
出店を計画している地域に、どんな客層が多いのか調べましょう。その地域に住んでいる人はもちろんのこと、通勤・通学でやってくる人たちもチェックしてください。
- 学生が多い
- サラリーマンが多い
- ファミリーが多い
- 富裕層が多い
などなど、地域によって様々な特色があります。出店を計画している地域が複数ある場合も、それぞれの地域で調査を行いましょう。例えば、学生ばかりの地域にファミリー層向けの店舗を出してもニーズがありません。どのような地域なのかを知ると、戦略を間違わなくて済みます。
競合調査
次に、出店を計画している地域に、どんな焼肉屋が出店されているかを調べます。繁盛店を探したら、実際に入店して焼肉を食べてみましょう。主なチェックポイントは「誰をターゲットにしているか?」です。
例えば市場調査の段階で、サラリーマンが多い地域だとわかったとしましょう。サラリーマンがターゲットなら「大衆向け焼肉屋」を出店すれば繁盛しそうだと考えられます。ですが、同じ地域に大衆向け焼肉屋で繁盛している店があれば、後から出店して勝つのは難しくなります。
逆に「駅の北口には大衆向け焼肉屋があるけど、駅の南口にはない」といった、チャンスがあるかもしれません。ですが、駅の出口によっても客層が変わるので、注意が必要です。
自店の強み
続いて、自店(自分)の強みを考えます。焼肉屋の出店を計画するにあたり、自分の経験や知識を書き出してみましょう。メモ用紙でもパソコンでも、自分が書きやすい方法で構いません。
焼肉屋での勤務経験、その他飲食店での勤務経験、それはどんなターゲット向けのお店だったか等々、思うままに書き出しください。それにより、自分の強みを見つけましょう。
ターゲット・候補地を決める
ここまでリサーチしてわかったことを加味して「ターゲット」を決めましょう。例えばリサーチの結果、以下のことがわかったとします。
- 市場調査 駅前は単身者向けアパートが多くサラリーマンが多い。バイパス付近には一軒家が多いためファミリーが多い
- 競合調査 駅東口・北口に大衆向けで繁盛している焼肉屋がある バイパス沿いにはあまり焼肉屋がない
- 自店・自分の強み ファミリー向け焼肉屋で店長を勤めていた
この場合、バイパス沿いにファミリー向けの焼肉屋を出店することがよいのではないかと考えられます。バイパス沿いにファミリーが多い上に、焼肉屋もなく、ファミリー向け焼肉屋の店長をしていた経験も生きるため、最適でしょう。
また、自分の強みが大衆向け焼肉屋で働いたことであれば、大衆向け焼肉屋がない西口や南口もいいかもしれません。もしくは、東口・北口の繁盛店を上回れる自信があるのであれば、近くに出店してもいいでしょう。
このように「ターゲット決め」と「候補地決め」は、関連性が高いため同時に考えるといいです。そして、候補地は複数を挙げておきましょう。1つだけに絞って、その地域にちょうどいい空き物件があると限らないからです。
コンセプトを決める
続いてコンセプトを決めます。コンセプト作りで重要なのが「透明資産」*1。透明資産とは店の雰囲気や、居心地、広さ、レイアウト、サービスなど、人が心地よく感じるものです。
例えば子連れのファミリー層がターゲットで「子連れ家族が楽しめる焼肉屋」というコンセプトを考えたとします。その場合「透明資産」として、座敷の席を多めにしたり、焼き場に手が届きにくくしたり、店内を可愛らしいデザインにしたり、おもちゃを置いたり等が考えられます。
また、スタッフの接客の仕方やお客様との距離感をどうするか、皿やコップといったお客様が触れる物のデザインや質感など、あらゆるものが透明資産になります。ターゲットに合わせた最適なコンセプト・透明資産を決めましょう。
*1 『新発想ゼロコスト集客術』より 著:勝田耕司 秀和システム 2019年8月1日初版
メニューを決める
コンセプトが決まったら、メニューを決めます。ターゲットがファミリー層で、コンセプトが「子連れ家族が楽しめる焼肉屋」であれば、「ファミリー盛」といった大人数向けのメニューが考えられます。
同時に「サイドメニュー」がとても重要です。肉は原価が高く、利益率の高い食材ではないため、利益率を上げるには原価率が低いサイドメニューを作りましょう。ファミリー層向けであれば、子供向けメニューや離乳食の提供も考えられます。
また、ドリンクも原価率が低いため、豊富なドリンクメニューを取り揃えましょう。
集客方法を決める
最後に集客方法を決めます。集客方法には、食べログ等の飲食店検索サービス・ホームページ・ダイレクトメールやチラシ・SNSなどが考えられます。
開業時には、ダイレクトメールやチラシでの集客が効果的です。ターゲット層がいる地域に「開店記念クーポン」などをつけて配布することで、一定数は来てもらえるでしょう。開店前からダイレクトメールやチラシを配布して興味を持ってもらうと、開店してすぐに来店してもらいやすいです。予算があるなら、食べログ等の飲食店検索サービスに広告費を払って集客もできます。
ホームページを作るときは、とにかく写真にこだわりましょう。お店の外観や内装や料理をプロのカメラマンに頼んで、美しく撮ってもらいましょう。
SNSは時間がかかりますが、費用をあまりかけなくても(もしくは無料で)有効な集客ツールになります。例えば、店内に顔出しパネルを設置し「写真を撮ってインスタグラムに投稿してくれたらドリンク一杯サービス」など、お客様の投稿を促す方法もあります。
特に最近では「インスタ映え」が流行したように、インスタ映えする特徴的なメニューを作ることで、お客様に投稿してもらいやすくなります。うまく行けば自然と拡散される場合もあります。
弟子「繁盛店を作るには、まず戦略が大事なんだね!」
おかげ丸「繁盛するかどうかは、戦略にかかっていると言っても過言ではないまる」
②開業に必要な資金の見積もりを用意しよう
開業のために必要な資金の見積もりを用意します。正確な見積もりは、融資を受ける時や、開店後の経営を円滑にするためにも重要です。
焼肉屋は内装工事費や厨房設備費が高額なため、他の飲食店よりも開業資金が高額になります。焼肉屋の開業に必要な資金は以下の7項目です。
- 物件取得費
- 内装工事費
- 厨房設備費
- 備品・消耗品
- 運転資金
- 開業前人件費
- 開業前広告費
物件取得費
飲食店の場合、20~30坪が一般的です。ですが、ターゲットやコンセプトによります。ターゲットがファミリー層で、一つ一つの席を広くしたいのであれば、席数を確保するためにもっと広い物件が必要でしょう。
飲食店用の物件は、保証金として家賃10ヶ月分が必要です。例えば、20坪で坪単価2万円の物件なら家賃は40万円になります。この場合、40万円×10ヶ月で400万円が契約時に必要となります。
最初に予算を作る段階では、まだ物件を決めていない場合もあると思いますが、ある程度予算を作っておきましょう。物件を決める時に予算が決まっていないと、物件選択の判断を間違いやすくなります。
内装工事費
焼肉屋の開業で、一番費用がかかるのが「内装工事費」です。 焼肉屋は煙対策が重要なため、ロースターの設置やダクト・給排気工事でかなりの費用が発生します。
- ロースター設置:400万円(1台20万円×20席)
- ダクト工事:200万円(1台10万円×20席)
- 全体の給排気工事:300万円
- 合計900万円
他にも、焼肉屋は油汚れが多いため、防汚加工の内装材も必要です。また、コンセプトによってデザインも必要でしょう。これらを含めると1,000万円以上必要な場合もあります。
厨房設備費
焼肉屋に必要な厨房設備には以下のようなものがあり、すべて揃えるには300~500万円は必要です。
- 業務用冷凍冷蔵庫
- 調理台
- コンロ
- フライヤー
- シンク
- 食洗機
- 業務用炊飯ジャー
- グリストラップ(生ごみや油を除去する)
備品・消耗品
備品・消耗品には、以下のようなものがあり合計30万円ほど必要です。
- レジ
- 食器類
- ユニフォーム
もしPOSレジや、セルフオーダーシステム等の最新設備を使う場合は、ここで予算を組んでおきましょう。初期費用は増えますが、導入後に人件費を削減できることを考えると、長期的には安くなるかもしれません。
運転資金
開業後、予定通りお客さんが来るとも限りませんし、クレジット決済で入金が遅れる場合もあります。そのために運転資金に余裕を持っておきましょう。200~300万円は欲しいです。
開業前人件費
開業前人件費は、開業前にスタッフをトレーニングするための費用です。トレーニングなしでは開業後、スムーズに業務を行えず、クレームや悪評に繋がります。
例えば時給1,000円のアルバイト5人に、1日5時間のトレーニングを週5日×2週間(10日間)行うと、25万円の人件費が発生します。
開業前広告費
開業と同時にお客様に来てもらうために、開業前からダイレクトメール(DM)やチラシで広告を出しておきましょう。はがきDMなら1枚70円ほど、チラシのポスティングなら1枚5円ほどです。
また、デザインを外注する場合は、それぞれ数万円が必要です。
開業後すぐにお客さんを呼ぶには、30~40万円ほどの広告費を予算に入れておきましょう。
これらの費用合計
これまで挙げてきた費用の合計を見てみましょう。
- 物件取得費:400万円
- 内装工事費:1,000万円
- 厨房設備費:300~500万円
- 備品・消耗品費:30万円
- 運転資金:200~300万円
- 開業前人件費:25万円
- 開業前広告費:30~40万円
合計1,985万円~2,295万円です。この試算はあくまで目安であり、居抜き物件を契約するなど、もっと安くできる方法もあります。ですが1,500~2,500万円ほどは想定しておきましょう。
弟子「結構な金額が必要なんだね!」
おかげ丸「だからこそ、最初に予算をしっかりと作っておくことが大切まる!」
③必要な資格を取ろう
焼肉屋を開業するには以下の4つの資格が必要です。開業する前に必要なので、開業が決まったら早めに取得しましょう。
- 食品営業許可
- 食品衛生責任者
- 防火管理者の設置
- 深夜酒類提供飲食店開始届
食品営業許可
焼肉屋だけでなく、飲食店を開業するのに必要な資格です。事前に申請書と必要書類を提出し、保健所と相談しながら申請を進めましょう。保健所の基準を守られているか検査されます。守られていれば営業許可証が発行されて、営業可能となります。
食品衛生責任者
こちらも焼肉屋に限らず、食品を扱う場合に必要な資格で、施設ごとに1名以上の食品衛生責任者が必要です。1日程度の講習で取得できますし、栄養士や調理師資格があれば不要です。
防火管理者の設置
収容人員30人以上の場合は「防火管理者」を1名以上置かなければなりません。こちらも1日程度の講習で取得できます。
深夜酒類提供飲食店開始届
午前0時から日の出までの「深夜」に酒類を提供する場合は、警察署に深夜酒類提供飲食店開始届を提出しなければなりません。
弟子「開業前に必要なんだね!早めにやらないと!」
おかげ丸「どれも取得はそんなに難しくないから落ち着いてやるまる!」
④仕入れ先を見つけよう
焼肉屋の仕入れは一般的に、卸市場で卸売業者が買い付けた肉を仕入れる流れになります。なので、基本的には卸業者と取引を行います。
この時、自分で肉の質を見極める目や、卸売業者との信頼関係が重要です。付き合いが長く信頼関係がある卸売業者であれば、質のいい肉を勧めてくれます。ですが、付き合いがほとんどない卸売業者の場合は、質の悪い肉でも高めの価格で勧めてくる場合もあります。
信頼が重要な商売なので、卸売業者もいい肉は、付き合いが長く信頼している人に優先的に売ってくれます。もし、以前から知り合いの卸売業者がいるのであれば、開業後もお世話になるといいでしょう。
ですが、もし信頼関係のある卸売業者がいない場合は、質の低い肉を買わされないために、肉の質を見極める力を育てておかなければなりません。悪い肉を仕入れてしまうと、肉の質はお客様に伝わるので、お店の悪評に繋がりかねません。
⑤物件をみつけよう!(できれば居抜きで)
次に物件を探します。「①お店の戦略を決めよう」の段階で、候補地はある程度決まりました。この候補地と「②開業に必要な資金の見積もりを用意しよう」で決めた「物件取得費」の予算を照らし合わせながら、物件を決めていきます。
ですが、ターゲットと候補地を決めていても、集客しやすい一等地はだいたい抑えられているもの。その場合は、二等地や三等地を選ぶしかありません。ただ、二等地・三等地は集客こそ難しいものの、その分物件取得費や家賃も抑えられます。
そして「焼肉屋の居抜き」がもしあれば、かなり初期費用を抑えられます。新しくお店を構えるとなると、内装工事費や厨房設備費で1,000万円以上かかる場合もありますが、居抜きなら費用を大きく削減できます。
ですが、「焼肉屋の居抜き」があるということは、以前あった焼肉屋が潰れているということ。その地域に住む人は「潰れた焼肉屋の場所」というイメージを持ってしまうため、新しく出店しても悪いイメージが引き継がれてしまうかもしれません。
また、ちょうどいい居抜き物件はなかなか見つからないため、居抜き限定で狙う場合は時間に余裕を持って探しましょう。
弟子「物件選びはこだわりたいね!」
おかげ丸「物件選びはとても重要だから焦らずじっくりやるまる」
⑥スタッフを採用して教育しよう
「②開業に必要な資金の見積もりを用意しよう」で「開業前人件費」を解説したとおり、開業前にはスタッフの教育が必要です。特に現在では、お客さんからのレビューがネットに残ってしまいます。
ホールスタッフのミスでオーダーテイクが遅れたり、キッチンスタッフのミスで提供が遅れたりなど不手際があれば、たとえ開業したばかりの店でも、悪評がつく可能性があります。そうなれば、リピーターになってくれる可能性も減りますし、新規集客にも悪影響です。
悪評を防ぐためには、開業後すぐにスムーズなオペレーションを実現しなければなりません。そのために、開業の1ヶ月以上前から求人を出し、できるだけ早くトレーニングを始めましょう。
そして、ホールスタッフとキッチンスタッフそれぞれに、飲食店での勤務経験があるスタッフを1名以上は採用しましょう。経験を活かして、スタッフのリーダーになってもらい、飲食店が初めてのスタッフに指導してもらいます。
ホールスタッフにも接客のマニュアルを作り、みんなが同じレベルの接客をできるようになっておきましょう。接客のレベルに差があると、レベルの低い接客が際立ってしまって印象に残りやすいため、悪評の原因になってしまいます。
また、キッチンスタッフには調理や衛生面のマニュアルが必要です。焼肉屋の食中毒のニュースが流れることがありますが、食中毒を起こしてしまったら、お客様の信頼を失ってしまいます。マニュアルを使って徹底的に管理しましょう。
まとめ お店がオープンしたら常に改善し続けよう
繁盛する焼肉屋を開業する6ステップをお伝えしてきました。
- ①お店の戦略を決めよう
- ②開業に必要な資金の見積もりを用意しよう
- ③必要な資格を取ろう
- ④仕入れ先を見つけよう
- ⑤物件をみつけよう!(できれば居抜きで)
- ⑥スタッフを採用して教育しよう
お店が繁盛するかどうかは「①お店の戦略を決めよう」が最も重要です。時間をかけてじっくり考えてみてください。
そして、この記事でお伝えしてきた内容は、あくまで開業前の準備です。開業してみたら、予想と違うこともたくさんあるかもしれません。準備で設定した戦略にこだわらず「実行」と「改善」を繰り返して、どんどんお店を成長させてくださいね。
弟子「開業後も改善をくり返さなきゃ!」
おかげ丸「改善に終わりはないまる!」