飲食店経営に共通するノウハウを9つ!売上を黒字化させるためにできること
飲食店を始めたい!と考えたときに「おいしい料理をお客様に食べてもらいたい」と思って飲食店を出すと思います。
しかし、今の時代おいしいものはどこででも手に入ります。おいしい料理をお客様に提供するだけでは飲食店はやってはいけない時代になってきました。
飲食店を経営していくのなら
「利益を出し続けていきたい」
「お店をお客様でいっぱいにしたい」
と思いませんか?
この記事では
「開店前にどんなことを準備しておけばいいの?」
「開店後は、何に気を付けて経営すればいいの?」
という疑問について解説していきます。筆者も飲食店を経営しているので、飲食店関係の本は30冊以上読んできました。
飲食店を経営してきて、これは絶対にやったほうがいいというポイント9個をご紹介していきます。
おかげ丸「飲食店をやっていくうえで、とっても大切なノウハウばかりまる~」
ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。
目次
飲食店開業前にやるべき5つのこと
- ①お店にくるターゲットを決める
- ②好立地な物件を探そう
- ③資金調達のカギは事業計画書
- ④経費について把握する
- ⑤SNSで発信すべし
弟子「開店前ってどれくらい前から準備するの?」
おかげ丸「開店前はやらないといけないことがたくさんあるから半年前〜3ヶ月前までには始めないと間に合わないまるよ」
飲食店を始める前の準備はとっても大切です。この準備でどんなお客様が来店してくださるのかが決まります。絶対に手を抜けません。
①お客様のターゲットを決める
おかげ丸「飲食店を始めるときに1番に考えないといけないのはなんだと思う?」
弟子「何の料理のお店にするか?かな」
飲食店を開こう!と決めたら次に
「どんなお店にしようか?」
「こんな料理を食べてもらいたい」
ということかもしれません。
おかげ丸「たしかにそれも大事だね。でも、1番大切なのは、誰に食べてもらうか?なんだよ。それを考えるといろんなことが見えてくるまる!」
ターゲットとなるお客様が、どんな人なのかを考えるのが飲食店を始めるにあたりとても重要なことです。
ターゲットが決まると
- お店のコンセプトが決まる
- お店をどこに出すかが決まる
- 看板やロゴのデザインが決まる
- メニューが決まる
と次々と決めることができます。コンセプトが決まれば、次は物件探しです。
②好立地な物件を探そう
飲食店を始めるにあたり、立地はとても重要です。まずはその地域が「クオリティを重視する地域」なのか「プライスを重視する地域」なのかを見極めることをしてください。
「いい物件見つけた!」と思っても、自分のお店のターゲットがその土地にいなければお店は成り立ちません。
飲食店を出す徒歩10分圏内にどんな人が住んでいるのかを徹底的に調べてターゲット層が多い土地でお店を始めることが肝心ですよ。
弟子「徒歩10分圏内ってけっこうせまくない?なんで10分圏内なの?」
おかげ丸「自分の住んでいるところの徒歩10分以内のところって、どこになにがあるかってすぐ想像できるでしょ?普段目に付くお店は入ってくれる率が高いし、お気に入りのお店が家から歩いて10分のところにあったらどう?」
弟子「絶対通っちゃう」
おかげ丸「だから、徒歩10分圏内にターゲットがいっぱいいるところがいいんだよ」
さて、お店を出す地域が決まったら次は資金調達です。
③資金調達のカギは事業計画書がにぎっている
飲食店を出すにはお金が必要です。飲食店を出す際に日本政策金融公庫や地方自治体の制度や融資など、国や県・市から低金利でお金を借りるときに提出するのが事業計画書です。
おかげ丸「お金を借りるときに大切なのはなんだと思う?」
弟子「信用かな?」
おかげ丸「そうだね。何も知らない人にはお金を貸そうと思わないよね?そこで事業計画書の出番なんだよ」
事業計画書は、
「私はこんなお店を作って、これだけ利益を出すことができます!だからお金を私に貸しても返せますよ」
と銀行にわかってもらうためのものなので、しっかりと作りこむことが大切です。
事業計画書はこれを書かないといけないというきまりはありませんが、日本政策金融公庫のホームページにダウンロードできる書式があるのでそれを使うのがおすすめです。
日本政策金融公庫のホームページ(https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html)
④経費について把握する
利益を多く確保するために、開業してからの経費をしっかり管理することがとても大切です。
開店前に仕入先や従業員を何人雇うかなど細かいところまでシミュレーションして、固定費や変動費、人件費などが見てわかるように表を作っておくと開店してからは、記入すればいいだけになるのでおすすめです。
おかげ丸「ちなみに、開店する前に準備としてかかったお金は経費にできるのでちゃんと管理しておこうね」
⑤SNSで発信すべし
飲食店をオープンすることが決まったら、お店のことをInstagram、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNSでドンドン発信していきましょう。
お店の内装工事が始まったらその工程をUPしたり、メニュー開発の場面をUPしたりするのもおすすめです。
見た人が、開店前からお店のことを知っていると思ってもらえればそのお店に愛着がわきます。
そうすると行ってみたいなと思ってもらえるようになるので、開店前からファンを作っておくことができます。
SNSには各種特徴があるので、よく理解して使い分けを行うとよいと思います。
【Instagram】
飲食店の約6割が利用しており、飲食店に一番おすすめのSNSです。Instagramの特徴として、写真・画像をメインにPRできるため、おいしそうな料理や店舗の雰囲気を発信するのに非常に相性のよいメディアといえます。また、「インスタ映え」を狙って店舗に訪れるお客様にハッシュタグやテキスト内に店舗名を入れて発信してもらうことで相乗効果が生まれ、より大きな集客につながることも期待できます。
【X(旧Twitter)】
X(旧Twitter)では、10,000文字以内で一つのツイートを発信することができます。ただし、タイムライン上に表示されるのは最初の半角280文字までです。
Xの特徴としては、①時間とともに流れていくという特性が強いということ、また②リツイートで拡散効果が期待できることです。今店舗で何が起きているのかを都度発信したり、お店のブログ更新などをお知らせしたり、リツイートで拡散を狙ったキャンペーンを実施したりするのがよいでしょう。
ただし拡散しやすい反面、問題発言で炎上しやすいため日々の発信には気を遣いながら運用しましょう。
【Facebook】
Facebookは主に30〜40代のユーザーが多いSNSです。全世代の3割程度の人が使っています。Facebookは基本、実名と顔写真での登録を必須としているため、面識のあるリアルな関係を保つために利用しているユーザーが多いのも特徴です。そのため、拡散というよりは知り合いに閉ざした発信が多く、つながりのある人たちとの関係性を深くしてく用途に向いています。お店をよく利用するコアなファンに向けたコミュニティ形成には相性がよいサービスでしょう。
【LINE公式アカウント】
フォローしてもらった人にさまざまな情報を発信できます。飲食店では一度来てもらったお客様にお友だち追加してもらうことで、再来につながるクーポンやキャンペーンの情報を送ることができます。LINEは普段から連絡手段で使う人が多いので、開封率が非常に高く7割近くのフォロワーに閲覧されているというデータもあり、お客様へのリーチ力は一番高いSNSです。ただし、うまく使わないとブロックされる可能性も高いので、配信頻度やどんな人にフォローしてもらうかは配慮が必要です。
そのほか、YoutubeやTikTokなどの動画配信ツールもありますが、まずは始めやすいSNSで配信していくとよいでしょう。
おかげ丸「どんどんSNSを使ってお店の宣伝をしよう!」
では、次は開店してからやるべきことを見ていきましょう!
飲食店開業後にやるべきこと
飲食店開業後にやるべきこと
- 在庫・勤怠管理
- QSCは常に意識する
- FLコストを分析して改善
- 人材を育成して顧客満足度アップ
飲食店を開業するとやるべきことは、とっても多くなります。
「お客様が来てくれなければやることがない」
という言葉はもう昔の話です。接客サービスはしっかり行わなければいけませんし、事務仕事もたくさんあります。
しかし、営業中は接客に追われるため事務仕事はほとんどできません。そんなときに使えるのがPOSレジや在庫管理・スタッフの管理などをシステム管理することです。
さらに、オペレーション負荷を減らすために各サービスに連携したPOSレジを使うのもよいでしょう。
在庫・勤怠管理はシステム導入すべき
最近飲食店でよく使われているのはPOSレジです。在庫管理はもちろん、顧客管理もできるので取り入れているお店が増えてきました。
注文業務をお客様にお任せできるモバイルオーダーも近年導入が進んできました。今では都心部で約3割の人がモバイルオーダーを使ったことがあるというアンケート結果もあります。
このようなモバイルオーダーと連携できるPOSレジもオペレーション効率化につながるでしょう。
弟子「POSレジって普通のレジと何が違うの?」
おかげ丸「POSレジを使うと、どのメニューが人気があるのか?どんなお客様が多いのか?などを集計してくれるからとっても便利なんだまる~」
勤怠管理も飲食店を開業したら大切な仕事の1つです。今はスタッフのシフトを管理できるシステムがいろいろあります。
勤怠管理システムを導入すれば、毎月の集計をする手間が楽になり、シフト表を作るのもとても簡単になります。
おかげ丸「シフトを組むときに、お店が混む時間・ヒマな時間を考慮したり、どのスタッフと一緒に働いてもらうかなどを考えないといけないからとっても大変なんだよ」
筆者のおすすめは勤怠管理システムツールとLINEを使うことです。LINEのグループを作ってスタッフのシフトを載せたり、スタッフ同士のコミュニケーションの場として使ったりといろんな使い方ができます。
シフトチェンジのやりとりなどもできるので、とても使い勝手がいいです。
QSCは常に意識する
QSCとは
- Q→クオリティ Quality 「品質」
- S→サービス Service「接客」
- C→クレンリネス Cleanliness 「清潔さ」
弟子「『なんか普通だった』『可もなく不可もなくって感じ』って思ったお客さんをもう1回来てもらうようにするにはどうしたらいいの?」
おかげ丸「それはQSCを上げていくしかないまるね」
例えば、サービス「接客」でできることは料理のおいしさの秘密をお客様に伝えることです。
「ステーキです」といってお客様に提供するのと、「今日のステーキは神戸産のサーロインステーキでございます。ウチのステーキは溶岩石のプレートでじっくり焼き上げているので、ジューシーに仕上がるんですよ」
というのでは、お客様の料理に対する感じ方が違うのでよりおいしく感じます。
それに、「とってもていねいに説明をしてくれた」と思ってくださるので、おすすめのやり方です。
それに、食事が終わったお客様に「今日のお食事はいかがでしたか?」と聞いたり、アンケートをお願いして率直な意見を聞き改善していけばQSCは向上していきます。
スタッフ全員で取り組むことができればどんどんいいお店になっていきます。
FLコストを分析して改善
開業してから経費で1番コントロールをしなければいけないことがFLコストです。
F→フードコスト「食材費原価」Food cost
L→レイバーコスト「人件費」Labor cost
経費全体の50~60%に抑えなくてはいけません。それ以上かかってしまうと赤字になり、ゆくゆくは閉店ということになってしまいます。
ですから、開業したら常にFLコストを気にするようにしてください。
人材を育成して顧客満足度アップ
今飲食業界は人手不足が深刻化しています。そこで、大切になってくるのがどんな人でも採用して育てていく仕組みをつくることです。
「採用した人を70点になるまで育てる」今はこの方法が主流となりつつあります。
採用の基準は
- 一生懸命やってくれそうか
- 性格がひねくれていないか
- 元気そうか
- 普通に会話できそうか
- 指定した面接の日時にちゃんと来てくれたか
とこれぐらいできる人です。これができて採用した人をしっかり育てていくとスタッフ間の雰囲気もよくなり、お店自体の雰囲気もよくなるのでお客様にもいい印象を与えることができます。
弟子「お客様にいい印象を与えられたらリピートしてくれそうだね」
おかげ丸「飲食店は、お客様の新規開拓も大事だけど、リピートしてもらうことも大事だからスタッフの育成は大切まる」
まとめ:これであなたも黒字化一歩前進
開業前にやるべきこと
- ①お店にくるターゲットを決める
- ②好立地な物件を探そう
- ③資金調達のカギは事業計画書
- ④経費については把握する
- ⑤SNSで発信すべし
開業後にやるべきこと
- ①在庫・勤怠管理
- ②QSCは常に意識する
- ③FLコストを分析して改善
- ④人材を育成して顧客満足度アップ
この9つのことをしっかりやっていけば、飲食店を黒字にもっていくことが可能です。開業前にしっかりプランを練っておくこと、しっかりシミュレーションをしておくことが赤字を出さないための第一歩です。
そして、POSレジや、いろんなシステムを上手に使えば日々の事務仕事に追われることなく時間を有意義に使えるようになります。
やりたいからやる!だけではなく、しっかりリサーチして計画を立ててから飲食店開業に取り組んでいきましょう。