COLUMN

飲食店のABC分析はどうするの?フォーマットの作り方からお見せします!

このコラムでは、飲食店のABC分析の考え方や、エクセル・Googleスプレッドシートで簡単に分析できるフォーマットを紹介します。
ABC分析の注意点や、分析した後はどうすればいいの?もっと楽に分析する方法はないの?といった疑問にもお答えします。

「ABC分析ってどうするの?」
「ランク分けの基準はどうしたらいいの?」
「もっと楽にできる方法はないの?」

ABC分析をする際に、このように思った事はありませんか?

飲食店経営で売上UPの戦略を立てるのにABC分析は欠かせません。しかし、「そもそもABC分析って何?」「パソコンが苦手」「数字に弱い」といった方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ABC分析の考え方やエクセルでのフォーマットの作り方、ABC分析を活かす方法までお伝えしていきます。

「分析ってなんか難しそう」と思っていた方もこの記事を読んで、「あっ、なんか出来そう・・・」というように、考え直してもらえれば幸いです。

おかげ丸「ABC分析に欠かせない、データ管理をとっても楽にする方法も紹介するまる~」

わかりやすく丁寧に説明しますので、ぜひ参考にしてください。

飲食店のABC分析とは?売れ筋の商品を見つけよう

ABC分析とは、商品の重要度をA・B・Cと3つのグループに分ける分析方法です。「重点分析」とも言われています。

弟子「ABC分析は何のために行うの?」
おかげ丸「飲食店でのABC分析は、各メニューの重要度を調べるために行うまる」

売上金額でABC分析をした場合は、売上高に対する各メニューの重要度がわかり、粗利でABC分析した場合は、粗利益高に対する各メニューの重要度がハッキリします。

ABC分析でメニューの重要度を把握することで、売れ筋商品や不人気商品を具体化できます。

具体化することにより、メニューの入れ替えの際に「どの商品を入れ変えようかなぁ」と悩む心配はありません。

弟子「ABC分析って便利なんだね!でも難しそう」

おかげ丸「では、ABC分析のやり方をみていくまる!」

飲食店のABC分析のやり方は?エクセルを使うと便利

ABC分析はエクセルなどの表計算ソフトを使用すると便利です。数式なども画像付きで紹介しますので活用してください。

弟子「エクセルが無ければどうすればいいの?」
おかげ丸「無料で使えるGoogleスプレッドシートでも代用できるから安心するまる」

今回は売上に対してのABC分析方法を説明していきます。

  1. ベースとなるリストを作る
  2. 自動で計算するよう数式を入力
  3. ランクも自動反映するように数式を入力

おかげ丸「数式はそのままコピーできるまるよ」

ベースとなるリストを作る

まずは、ベースとなるリストを作ります。販売価格をあらかじめ入力しておけば販売個数を入力するだけで自動計算するようにしていきます。

次は数式入力をしていきましょう。

自動で計算するよう数式を入力

次に、売上などの金額を自動計算するように数式を入力します。

まずは、メニューに対しての売上項目から。

上記の表なら、売上金額のセルに、『=SUM(C3*D3)』と入力します。販売個数さえ入力すれば、「販売価格×販売個数」を計算する数式です。

そして、列全体にコピー・ペーストして、売上の列すべてに貼り付けします。

販売個数を入力して売上金額が自動計算されていれば大丈夫です。

この時に、売上金額で「降順」にソートしておきましょう。売上金額の多い順に並び変えます。

次は、累計売上高ですね。

この部分には、『=SUM(E3,F2)』と入れてください。先ほど同じように累計売上高の列全体にコピー・ペーストします。

下のメニューにいくにつれ、売上金額がプラスされていきます。
一番下になると、売上金額の合計が出るはずです。

最後に、売上構成比です。売上高合計に対しての割合を算出します。一番下になると100%です。

ここには、『=F3/$F$8』を入力しましょう。同じくコピーペーストします。

構成比列の書式設定を%表示にするのを忘れずにしてください。

この売上構成比を基準に、ABC分析をしていきます。

今回、A・B・Cとランク分けする基準は以下のようにしています。

Aランク
売上高の売上構成比0%〜70%未満
Bランク
A・Cランクの間、売上構成比70%〜90%未満
Cランク
売上高の売上構成比90%〜100%

弟子「なんだか複雑…」
おかげ丸「売上構成比の0%〜70%未満がAランクと覚えておくだけでも良いまる」

一般的にABC分析では、パレートの法則(20:80の法則)が活用されます。

パレートの法則
売上げの80%は、上位20%の商品で占めているという理論

おかげ丸「パレートの法則は、飲食店だけではなくさまざまな分野で活用されているまる」

ランクを分ける基準もハッキリしましたが、この際、ランク分けも自動判別できるようにしましょう。

ランクも自動反映するように数式を入力

ここでは、売上高の70%までは「A」、70%から90%までを「B」、それ以外を「C」となるようにしています。

ランクの項目に、『=IF(G3<70%,”A”,IF(G3<90%,”B”,”C”))』と入力してください。

数式の%部分を変えることで、自由にランク分けの基準を変更できます。

弟子「できたよー!」
おかげ丸「お疲れまる。ここまで作れば商品が増えても数式をコピーすればいいまる!」

おかげ丸「ただし経営判断に関わることなので、ABC分析に慣れるまで場合は、数字に強い人にダブルチェックをしてもらうのがオススメまる」

ABC分析で重要度を分けました。では、ここからどうしていけばいいのでしょう?

飲食店のABC分析をした後の経営の活かし方

弟子「ABC分析終わったよ!」
おかげ丸「じゃあ、このあとの方針を決めて行くまる」

ABC分析で、重要度ランクを具体化できたと思います。

では、経営にどう活かしていけばよいのでしょうか。

  • Aランク商品の方針
  • Bランク商品の方針
  • Cランク商品の方針

それでは、各ランクの活かし方を見ていきましょう。

Aランク商品の方針

まずはAランク商品から。Aランクは大黒柱となるメニューなので、販売個数を増やす工夫がオススメです。

たとえば

  • POPを店内の目につきやすい場所に飾る
  • メニュー表の目立つ場所に載せる
  • スタッフが人気商品として薦める

このような方法が考えられます。

売上の大部分を占めているAランク。販売個数を増やして、売上を伸ばさない手はありません。

次は、Bランクをどうすればよいのかをお話しします。

Bランク商品の方針

基本的には現状のままでいいですが、売上構成を具体化したことにより「どの位売れているのか」がハッキリしてきたと思います。

販売個数が多いのであれば、在庫管理をしっかりと行い原価率を下げる工夫を考えていきましょう。原価率を下げれば、利益率が上がりAランクに化けるかも知れません。

最後にCランクをお伝えしますね。

Cランク商品の方針

最後にCランク商品ですね。

弟子「Cランクだから、まるっとメニューを変えればいいんじゃないの?」
おかげ丸「それはちょっと考えが早すぎるまる」

Cランク商品はさらに分析をしていきましょう。

  • 利益は出ている?
  • メニューから失くした場合、不都合はある?

上の2つの問いに両方とも『NO』であればメニューを変える検討が必要です。

ただし、メニューを失くすだけではいけません。代わりの新メニューは考えておきましょう。

なぜなら、メニューを減らすだけでは、いずれBランクの一部がCランクになるリスクがあるからです。

弟子「うーん、ABC分析が大切なのは分かったけど、売上や販売個数の管理が大変そう・・・」
おかげ丸「そうだね、じゃあ次は管理からABC分析まで簡単にできる方法を教えるまるよ!」

POSレジを使うとABC分析も簡単

飲食店経営において、ABC分析はとても重要です。とはいえ、定期的なABC分析でメニューの見直しをするのは、そんなに簡単ではありません。

なぜなら、商品の数が多ければ多いほどデータ管理が大変になってくるからです、

また、半年に1度くらいのABC分析であれば、手入力でもできます。しかし週に1度、月に1度といった短いスパンで分析を行うには時間が足りません。

そこで役立つのが、「どの商品がいくつ売れたのか?」というデータを管理できるPOSレジです。

POSレジの「POS」とは、Points of Sales(販売時点情報管理)の略。一日の終わりに集計するのではなく、販売時点でデータを管理できます。

弟子「なるほど、これでABC分析もやりやすくなるね」
おかげ丸「ちょっと待って!最後にABC分析をする際の注意点だけ説明するまるよ」

ABC分析の注意点

ここまでは、ABC分析を活用すればメニュー管理に役立つことをお伝えしてきました。

弟子「重要な商品がわかるもんね」
おかげ丸「でも、注意して欲しいこともあるまる」

ABC分析をするうえで注意して欲しいのは、以下の3点です。

  • ①ABC分析は複数の視点で分析しよう
  • ②AランクとCランクの商品の売上に関連性はないか?
  • ③Aランク商品の中に、一過性の商品はないか?

では、詳しく見ていきましょう。

①ABC分析は複数の視点で分析しよう

ABC分析は、『売上』にスポットを当てるだけでなく、『粗利』で分析することもオススメします。

なぜなら、売上が良いメニューの原価率が高く、その結果粗利が低いという場合があるからです。

もし、そのことに気付かず粗利の低いメニューを看板メニューとして売ればどうなるでしょう?

弟子「売上を上げているのに、利益が少なくなる!」
おかげ丸「そうなってしまうまるね」

このようなことを避けるために、ABC分析は「売上」だけでなく「粗利」でも行いましょう。

売上だけのABC分析で管理しない複数のABC分析を組み合わせることを、「クロスABC分析」と言います。

クロスABC分析
複数の視点を取り入れるABC分析
複数の要素を組み合わせることで精度の高い分析ができる

おかげ丸「『売上』『粗利』など複数のABC分析をするまる」

AランクとCランクの商品の売上に関連性はないか?

Aランク商品と、Bランク商品に関連性はないか、必ず確認をしましょう。

弟子「えっ、どうして?」

2つの商品の売上に関連性があった場合にCランクの商品をメニューから削除すると、Aランク商品の売上も落ちることも考えられます。

「商品A」(ランクA)と「商品C」(ランクC)。2つの商品が同時に売れていることが多い場合、「商品C」が無くなると、もう一方の「商品A」の売上が下がらないとも言い切れません。

たとえば、「商品A」がビールだったとして、「商品C」が激辛パスタだった場合、激辛のパスタの「商品C」を無くしてしまうと、「商品A」のビールが売れなくなってしまうリスクがあります。

おかげ丸「関連性を確認してから、メニューの変更を考えるまる」

Aランク商品の中に、一過性の商品はないか?

弟子「一過性の商品ってどういうこと?」

たとえば

  • 期間限定メニュー
  • 期間限定の割引メニュー
  • TVや雑誌で取り上げられたメニュー

このようなものがあります。

一過性の商品と気づかずに、「売れると思って、在庫を多く発注しすぎた・・・」なんてこともあるかも知れません。

おかげ丸「限定や割引商品は気付きやすいけど、流行の商品などは販売期間や時期などに気をつけるまるね!」

まとめ:飲食店ならABC分析を活用して売上を上げよう

今回は、ABC分析についてお伝えしてきました。

  • ABC分析の方法
  • ABC分析の活用方法
  • ABC分析の注意点

飲食店のメニューの改善はよくあります。

今までは、「どのメニューを入れ替えようかな」と迷っていた方もいるのではないでしょうか?

ABC分析を活用すれば、メニュー改善の大きな判断材料になります。1週間・1か月と定期的に分析することにより、今まで見えていなかった売れ筋商品の傾向が見えるかもしれません。

定期的にメニューを見直し、売上UPにつながる戦略を立てていきましょう。

弟子「ちょっと大変そうだけど、やってみると良さそう」
おかげ丸「コストも掛からないので、一度分析してみるのをオススメするまる」

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